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株式会社サンリオ(8136)

開催日:2024年3月2日(土)

場 所:ミッドランドスクエア オフィスタワー 5階 『ミッドランドホール』(愛知県名古屋市中村区)

説明者:IR室ディレクター 関根 寛子 氏

 

はじめに

    • 本日はもう1人のスタッフと2名で対応します。2名で来たのには理由があります。私たちの夫は愛知県出身で、上司が私たちのゆかりのある土地であることを知っていたためです。
  • 簡単に自己紹介をします。大学卒業後に新卒で入社し、20年以上経過しました。2016年にIRへ異動する前は、海外事業部に所属し、そのうち3年ほどドイツの子会社に出向していました。
  • 3月に三重テレビの投資番組に毎週出演予定です。よければご視聴ください。
  • 本日、お伝えしたいことの1つは企業理念とビジネスについてです。企業理念のキーワードは「みんななかよく」です。
  • 今はビジネスモデルの変革期にあります。2020年に社長が交代し、会社を大きく変えようとしています。これまでは「ハローキティ」等のキャラクターの会社として事業を行ってきましたが、今後はエンターテイメントの会社を目指そうとしています。これを達成するため、中期経営計画を実施中です。
  • 本中期経営計画は2022年3月期から2024年3月期の3年間の計画で、この3月で終わりを迎えます。3本柱で取り組んできました。足場固めの3年と言い、既存のビジネスをいかに盤石にして、これからどのように新しい時代に対応していくか、その意味で、再成長の種まきを行っています。順調に進捗(しんちょく)しており、3月の末までに予定していた内容は全て終わる見込みです。中期経営計画開始時、営業利益がマイナス32億円でした。終了時までにプラス30億円を目指していたのですが、最終的に268億円を着地見込みとして出しています。まだ成長段階にはないのですが、足場固めで、これだけ復活できたことが自信になってきています。

 

  • 今後10年で、時価総額1兆円、営業利益500億円を目指したいと考えています。具体的な成長戦略は、5月に新しい中期経営計画で発表します。

 

1.会社概要と企業理念

  • 時価総額は、2月15日時点で5,749億円となりました。10年で1兆円を目指しており、残り半分の地点まで来ています。昨日の終値が8,643円でしたので、それを前提とすると、7,358億円になります。
  • 株式会社サンリオは1960年に創業しました。現在の名誉会長は、創業者でもある、辻󠄀信太郎です。当社のメインキャラクター「ハローキティ」は、1974年にデビューして、今年で50年になります。キャラクターを使ったビジネスを、60年以上かけて行ってきた会社です。2020年7月、創業60年目にして、初の社長交代が行われました。現在の社長は辻朋邦で、創業者の孫に当たります。
  • 創業者は、第2次世界大戦の経験者です。山梨で空襲に遭い、焼夷弾の中を一晩中走り回って逃げたそうです。命からがら逃げて、次の日、焼け野原に立って、「なぜ理不尽に死ななければならないんだろう。どうして殺し合わなきゃならないんだろう。相手の顔を知っているわけではない。どうしたら仲良くなれて、こういうことを回避できるんだろう」と思ったそうです。その気持ちから、事業を通じて世界平和を成し遂げたいと考え、そのために立ち上げたのがサンリオです。企業理念として「みんななかよく」が制定されました。
  • 企業理念に込められた思いは、「毎日を幸せな気持ちで生きていきたい…それは、私たち人間の心からの願いです。では、本当の幸せとはいったい何でしょう。どんな人間も、たったひとりで生きることはできないのではないでしょうか。支えあい、助け合ってはじめて生きていくことができるのです。ともに生きる仲間たちと信じあい、仲よく生きていくこと。それが、私たち人間にとっての本当の幸せなのではないでしょうか。その仲間とは、親子、兄弟、夫婦、友人、恋人といった身近な存在から、学校や会社の同僚、そして世界中のひとびとにまで広がっています。それらのひとたちと理解しあい、仲よくしていくために大切なのは、まず自分から相手を信じ、尊敬し、愛すること。そして、そうした気持ちを表現すること…これが、サンリオを支える考え方です」です。
  • 創業者が仲良くなるために注目したのが贈り物でした。「ありがとう」、「元気?」、「病気、良くなった?」、こういった相手に気持ちを伝えながらプレゼントをあげる。日本にはこういう習慣があります。その贈り物に注目することで、私たちの事業が始まりました。しばらくの間、キャッチフレーズは「スモールギフト・ビッグスマイル。ちょっとした贈り物でみんなを笑顔にしよう」でした。
  • 笑顔を作るのはギフトをあげる瞬間だけではありません。「私たちは『One World, Connecting Smiles.』というビジョンを胸に、1人1人の笑顔を作り出し、幸せの輪を広げていくことによって『みんななかよく』という企業理念の達成を目指しています」。社長が代替わりして、「One World, Connecting Smiles.」のビジョンで、今大きくビジネス事業の構造を変えようとしています。

 

2.主な事業内容

  • われわれの事業は大きく分けると、「(1)物販ビジネス」「(2)ライセンスビジネス」「(3)テーマパークビジネス」「(4)新規ビジネス等」の4つになります。(1)から(3)は、既存のビジネスとして行ってきたものです。これに対して、(4)は過渡期にあります。(1)から(3)には赤字を出していた部門もありましたが、ここを盤石にし、絶対に赤字を出さない、利益体質にするために、この3年で構造改革がなされました。(4)は、新しく次の事業の柱となるように育てていく。この気持ちを込めて、今、4本柱で事業を行っています。
  • (1)物販ビジネスは、ギフト商品の企画・販売、店舗運営、卸売りなどを行っています。近年では、Eコマースの拡大と強化にも着手しています。
  • (2)ライセンスビジネスは、弊社のキャラクターを他社に貸して、その対価としてロイヤリティーを得るビジネスです。製品(プロダクト)、広告/販売促進(プロモーション)、空間の3つのパターンがあります。
  • 製品(プロダクト)では、例えばアディダスやアナスイ、フランスの高級ファッションブランドであるクロエなどとコラボレーションしています。私たちの販路にはない、先方の販路に乗せて流通させることができ、世界中に事業を展開することが可能となります。
  • 広告/販売促進(プロモーション)では、官民を問わずイベントや公共活動で、集客や利用促進を目的としてキャラクターを利用いただいています。当社は450ほどのキャラクターを持っているため、一度に同じ業界の企業に使っていただいて、同時期にプロモーションすることができます。これが大きなビジネスを展開できる理由です。
  • 空間について。淡路島にある「HELLO KITTY SMILE」は、2018年より株式会社パソナグループが地域活性事業の一環として展開されています。海外には、中国の安吉でテーマパーク、韓国の済州島で「Hello Kitty Island」などがあります。
  • (3)テーマパークビジネスは、国内では「サンリオピューロランド」と「ハーモニーランド」の2カ所で展開しています。子会社である株式会社サンリオエンターテイメントが運営しています。社長が変わって、今注目しているのはバーチャルです。バーチャル空間で24時間365日、テーマパークを展開しようとしています。この展開に向けた施策の一つとして、2月19日から3月17日の間で、「Sanrio Virtual Festival」を開催しています。ここでいろいろなテストを行い、24時間365日に対応できるようにしていく予定です。
  • 柱として育てようとしている(4)新規ビジネス等では、現在、2つに注力しています。1つが「エデュテイメント事業(教育)」です。幼児向けに英語教材の販売をスタートしました。昨年10月には、サンリオピューロランド内にも、新規アトラクションをオープンしました。もう一つが「デジタル戦略」です。先ほどのバーチャル空間でのテーマパークも1つの例です。

 

3.サンリオの強みと新たな取り組み

  • サンリオの強みは、クリエイティブ力とプロデュース力で、これが事業を支えているものと考えています。クリエイティブ力として、キャラクター開発力、キャラクターに高い柔軟性と汎用性を持たせていること、キャラクターのデザイン性が高いことが挙げられます。プロデュースとしては、他社コンテンツとの協業を行えること、グローバル基盤を持っていることなどがあります。今後、この2つを組み合わせた上で、ますます強いキャラクターの創出を目指すために、IP創造に取り組んでいきます。IP創造とは、キャラクターを新しく生み出すという意味です。さらに新規事業として、強みを生かして、エデュテイメント事業やデジタル戦略を展開する予定です。
  • 強みの1つ目は、「(1)キャラクター開発力」です。キャラクターは、2つのラインがあります。1つは、従来型キャラクターです。大人が子供に買い与えたいと思う、安心・安全で、長く愛されるキャラクターを開発しています。子供が大人になって再び子供に買い与える循環ができているのが特徴です。もう1つは、新しい市場開拓に向けたキャラクターです。LINEでコミュニケーションを取ったり動画を視聴したりするなど、生活にスマートフォンは欠かせません。そういう時代に合わせて、スタンプでキャラクターを展開しています。また、「アグレッシブ烈子」は、配信プラットフォーマーであるネットフリックスで世界中に配信しています。こういう動画の取り組みも行っています。
  • 強みの2つ目は、「(2)高い柔軟性と汎用性」です。毎年、時代に合わせたデザインを創出してきました。皆さまに寄り添うことを意識して、その時代で一番なじみのあるものを、うまくアレンジしてきました。また、他社に貸して対価を得るライセンス事業では、どういうお客様に展開していきたいのかを伺った上で、最も合ったキャラクターのデザインを開発して、さまざまなデザインを提供しています。
  • 強みの3つ目は、「(3)デザイン性」です。サンリオのキャラクターは、顔も目線も正面を向いています。それが自己肯定感を上げている存在になっていると分析されています。
  • 強みの4つ目は、「(4)他社コンテンツとの協業」です。「他社でよく売れる人気なキャラクターが出たらどうするの?」とよく聞かれます。その時にはコラボレーションさせていただきます。協業です。こういうことができない会社もありますが、当社は一緒に展開することで、ウィンウィンの関係をつくることを大切にしています。
  • 強みの5つ目は、「(5)グローバルの基盤」です。欧州、アジア、日本、北米、南米とどこの地域でも大きく売り上げを上げています。海外売り上げは、現在、連結売り上げの4分の1以上を占めています。これから北米や中国を伸ばすことによって、ますます大きくしていきます。
  • 強みの6つ目である「(6)IP創造」は、(1)〜(5)の強みを使って、さらにキャラクターの開発力を磨く新たな取り組みです。今までも市場調査を基にして新しいキャラクターの創出を行ってきましたが、2年ほど前から、SNSを通じて、より大規模に皆さまの好みを分析した上で、キャラクターをデビューさせています。SNSでの投票を取り入れたコンペでは、「はなまるおばけ」が1位を獲得し、デビューしました。「ぺたぺたみにりあん」は、ネット上で動画配信することで、デビューをしているキャラクターです。これまでのようにお店に来て買ってくれる方たち以外の層を取り込もうとしています。この新たな取り組みも、着目いただきたいところです。
  • 強みの7つ目は「(7)新規事業開発」です。新たに柱としようとしているエデュテイメント事業は、学ぶ時間が楽しくなるように、「エデュケーション」と「エンターテイメント」の2つを組み合わせ「エデュテイメント」という造語を作り、今、推進しているところです。デジタル戦略は少しなじみがないかもしれません。今、若い方はデジタル空間上を集合場所にしています。コミュニケーションが取れる場所を、弊社のデジタル上に広げようと、メタバース事業、UGX支援事業、ファンコミュニティ事業に取り組んでいます。

 

4.中期経営計画の進捗と今後

  • 2020年に社長交代があり、2021年5月に現在の中期経営計画を発表しました。今回出しているVMV(ビジョン、ミッション、バリュー)は、その際に見直しました。当社が成し遂げたい企業理念は「みんななかよく」です。贈り物だけにとどまらず、皆さんを笑顔にするために、「One World, Connecting Smiles.」をビジョンとして掲げて、現在、多く人の笑顔生み出すためにはどうすればいいかを命題としています。
  • ビジョンの達成のために注目しているのが、笑顔の時間です。産業の商品やサービスを通じて、笑顔をどれくらい創出できているかを「サンリオ時間」として計測しています。長期目標として、10年間で3,000億時間以上を得ようと試みています。現在、2023年9月時点では、648億時間となっています。定性的な目標として頑張っていきたいと考えています。
  • 中期経営計画では、キャッチコピーを「”One Day? No. Day One!”」と定めました。「『いつかやる?』 いやいや、違う。『今日からやるんだ』」という思いを込めています。「組織風土改革」「構造改革の完遂」「再成長の種まき」という3つの柱で取り組んでいます。新社長の下で、第2の創業という意気込みで発表されており、足場固めの3年として進行しています。
  • 「組織風土改革」には、コンプライアンス機能の強化、取締役の若返り、女性管理職の比率向上があります。他にも、年功序列や給与体系の見直しなど、社員の意識改革も進めています。若いマネジャーも増えました。30代でもマネジャーになっている人もいます。適材適所が進められています。
  • 「構造改革の完遂」では、国内物販事業における開発SKUの削減、国内物販事業および米国事業の黒字化が挙げられました。マイナス32億円という営業赤字を出した時、国内物販事業でマイナス16億円、米国事業でマイナス11億円と、かなり大きなマイナスとなりました。そのため、既存事業で赤字を出さないためにはどうしたらいいのかと、取り組んだのが構造改革になります。順調に進み、2023年3月期末で、国内物販事業では40億円、米国事業で18億円と改善しています。
  • 「再成長の種まき」では、新規IP創造・新しいキャラクターの生み方、エデュテイメント事業の立ち上げなどを行っています。今回の中期経営計画で、既存事業を盤石にすることはおおむね達成できています。内部的には細かく百何十項目という目標が立てられていましたが、全て順調に終わることができそうです。
  • 過去10年の業績推移を見ると、2014年3月期はその時点で最高となる営業利益210億円でしたが、その後、右肩下がりに落ちてしまい、業績低迷期となることが見てとれます。ここで社長交代がなされて、現在は足場固めの反転となり、V字回復が実現しています。最終的に向こう10年では、時価総額1兆円、営業利益500億円を目指します。
  • サンリオの向こう10年を見据えた“価値創造ストーリー”を簡単に説明します。サンリオは世の中にどういう価値を生み出しているのかを、改めて深掘りしました。そして次に、どういう事業領域で、どれぐらいお金をかけて、事業を大きくしていくのか。ここもプロセスを決めていきました。そして最後に、サンリオが生み出す価値でどのように社会に貢献していくか。ここでマテリアリティを定めました。マテリアリティとは、社会のさまざまな問題に対して企業活動を通じて取り組む重要課題のことです。サンリオという会社が存在することで、事業を通じて世の中にどのように貢献できるのかを深掘りしました。
  • マテリアリティとして、10の社会課題を定めました。Well-Beingの充足、国境・世代を超えた社会のつながり強化、クリエイティブの民主化、子供の教育水準の向上、社内外のヒトへの投資、ダイバーシティの実現、地球環境への配慮、人権の尊重、顧客のプライバシー&データセキュリティ、ガバナンスの透明性・可視化の10個は、サンリオが事業を通じて社会や皆さんに貢献していくために、重要な課題として特定したものです。特に「地球環境への配慮」「人権への尊重」は、具体的な数値を設定しています。経営でこの目標値に合意しています。
  • 弊社のハローキティは2019年から国連と一緒にSDGsの推進活動をしています。コーポレート・ブランディングとして、アスリートやスポーツ大会への特別協賛を行っています。
  • 2024年11月1日は、ハローキティがちょうど50年を迎える日となります。2023年11月1日から2024年12月31日までをアニバーサリーイヤーとして、50周年にちなんだ商品を開発する予定です。街中で見つけましたら、お手に取っていただき、見ていただければ幸いです。

 

5.株主還元

  • 業績が好調で、中間22.5円、期末42.5円で、年間で65円に予想修正しています。この中には、ハローキティ50周年記念配10円も含まれています。実質的な基準日は3月29日なのですが、その時点の名簿に登録された株主様に向けて、1株を3株に株式分割を行う予定です。今、株を100株お持ちでしたら、4月まで保有していただくと、4月1日には300株になります。
  • 優待は3月末までは今までと同じように、サンリオピューロランド、ハーモニーランドのテーマパーク共通優待券と、店舗でお買い物していただけるチケットを配布予定です。来期、4月1日以降の優待は、現在、検討中です。どうぞご期待ください。
  • 今後は、既存の事業を中心とし、これに加えて新規ビジネスを柱としていきます。さらにM&Aなど新たに提携・出資を行うことで、より大きな売り上げを目指す会社になろうとしています。詳細は、5月に発表の中期経営計画に含める予定ですので、ご注目いただければと思います。
  • 私たちの企業理念や実態、方向性について、少しでもご理解を深めていただけましたら幸いです。今日覚えていただきたいのは、当社は「みんななかよく」を広めたい会社だということです。ファンになっていただいて、キャラクターの見方やビジネスを新たな目で温かく見守っていただければと思っています。

 

6.質疑応答

Q1. 社名の由来はどういうものですか。

A1. サンリオはスペイン語から来ています。日本語にすると「聖なる河」、英語にすると「Saint River」です。「みんななかよく」。これまでの文明は全て川沿いで生まれています。私たちが目指したい、清らかな気持ちのコミュニティを、川沿い、川のほとりにつくりたい。そういう思いを込めて、聖なる河、サンリオという名前が設定されました。創業者が山梨県出身なので、「『山梨の王』でサンリオなのではないか」とよく言われるのですが、正しい由来は「Saint River」です。

 

Q2. 今日の説明会で個人投資家にアピールしたい一番のポイントをお願いします。

A2. 今は過渡期にあり、これからどうなるかをすぐに見せられない状況にあります。まずは、サンリオという名前を覚えていただき、そしてファンになっていただけたらありがたいなというのが、今日伝えたいところです。

 

Q3. 海外でのブランド認知度を高めるために、どのようなマーケティング戦略を採用していますか。

A3. 2地域で行っている戦略をご紹介します。まず1カ所目はアメリカです。アメリカはオンラインゲームやYouTubeなどの動画配信が活況で、当社もゲームプラットフォーマーであるRoblox社で、1年半前にゲームを出しました。すると、なんと4億人の方がゲームをしに訪れてくださいました。4億アクセスありました。もともとは北米向けの開発だったのですが、内訳を見ると、半分が欧州、数十%がアジアからのアクセスで、アメリカ以外の市場からもご注目いただけるきっかけになりました。 2カ所目は欧州で、ハイブランドです。コラボレーションしたアディダス製品などは、世界中で売られることになりました。引き続き、地域特性として、デジタルが生かせる市場や高級ブランド発で、世界の皆さまにお届けするマーケティングを進めていく予定です。

 

Q4. 若い世代はオンライン上で集合するなど、世界から集まって楽しむ時間を共有しているのですね。

A4. オンラインで国境を越えています。私の子供は小学生ですが、「英語で入力しなければ、ゲームが進まない」と、教えていない英語を覚えていました。時代の違いを感じる毎日です。創業者が言っていた「みんななかよく」のように、国を超えて仲良くできるコミュニケーションの場をつくることができています。現在の技術によって企業理念が実現できていると感じます。いい方向に進んでいると思っています。

 

Q5. 他社と比べた御社の強み、あるいは遅れていそうな点があれば、お聞かせください。

A5. 遅れているのはデジタル分野です。2020年に社長交代がありましたが、その時まで動画配信をするとか、SNSでキャラクターがつぶやくとか、そういう取り組みがありませんでした。そのため、お客様がキャラクターを知る機会が大変限られていました。ここは当社が出遅れたところだなと思っています。今そこを急ピッチで追い上げるため、Roblox社でのゲーム配信のような取り組みに至っています。しかし、まだまだ取り組めることが多いのではないかと思っている分野です。 強みは、強い背景がないことです。ハローキティは口もなく、笑ってもいません。悲しい時には寄り添って、一緒に悲しんでくれる。うれしいと思った時には、うれしいと一緒に気持ちを楽しんでくれる。時と場所を、持っている人に依存できます。アニメや漫画では、世界観があり、そうはいきません。そんなキャラクターを扱っているのが当社の強みです。

 

Q6. 1960年に創立して以来、さまざまな試練を乗り越えて、存続できた一番の理由はどのように考えていらっしゃいますか。また、将来的にはどんな会社でありたいと思われますか。

A6. 私は入社して20年を超えましたが、業績が下がっている中でIRをしているのは、本当につらかったです。怒られますし、株価が下がると電話がかかってきました。それでもサンリオで働いていたいと思ったのは、「みんななかよく」という理念に賛同して、何とかしてこの会社を盛り立てたい、この思いを事業として世界中の人に伝えたいと考えたからです。試練を乗り越えられたのは、こういう理念がベースにあり、それに賛同した社員が、強い志を持って働いているからだと思います。 本中計が始まる際に、社員コンディション調査という、「会社は好きですか」「ワーク・ライフ・バランスはどうですか」など何十項目もあるアンケートを半年に一度行いました。この企業理念に関しては5点満点中4.6点だったと思いますが、すごく高い値となっています。ほぼ全ての社員が賛同して、ここの会社で働きたいと思っている。ここが試練を乗り越えられる力なのではないかなと見ています。 将来的には、技術は変わっていくと思いますが、世界中を仲良く笑顔の世界にしていくことを、ビジネスを通じて行いたいと思っています。創業者の気持ちをどのように体現していくか。会社がこのようにあり続けるのではないかなと、こうあり続けるはずという、そこがサンリオの存在感なのではないかなと見ています。

 

Q7. これからますます進化していくと思います。5月の新しい中期経営計画が楽しみです。

A7. 株主還元もそうですが、どの事業にいくらお金をかけていくのか、そしてそれでどれくらいのリターンを上げていくのかという、お金の使い方を含めたお話もさせていただく予定です。ご注目いただければと思っています。

 

以上

 

 

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